おかえりモネ(39)「それでも海は」漁師・及川新次(演:浅野忠信)が地元民過ぎて聴き取れなかったセリフを書き起こし
おかえりモネ(39)「それでも海は」漁師・及川新次(演:浅野忠信)が地元民過ぎて聴き取れなかったというネットの書き込みがかなりありましたので、ネイティブの管理人がセリフを書き起こします。
飲み潰れた新次に肩を貸して永浦家に連れ帰る龍己と耕治
耕治「しっかりしろおら。しっかりしろ。」
縁側の亜哉子・百音・未知
百音「何処に居たの?」
亜哉子「家の有ったトコにね…座ってたあ。」
流されたであろう自宅跡の石段で酎ハイを飲む新次
空き缶を放り投げる
震災直後に留守電に入った美波の声を再生する
美波「美波です。亮は学校に居っから、大丈夫。私も今、位牌持って家出るどご。お父さん、船、沖に出せだ?無理しないでねえ。」
永浦家の茶の間に龍己・耕治・亜哉子・新次
耕治「どうした?此処んとこ、酒も止めで、病院にも通ってたんだろ?土木の仕事も、きっちりやってるし、カネも少しずづだげど、返してる。ちゃんとしようって、頑張ってだんでねえのが?」
龍己「それとも何か、酒でも飲まねえと、やってられない事でも有ったが?」
新次「いや…違います。」「5年って長いですか?」
龍己「え?」
新次「お前まだそんな状態がよ?って、あっちこっちで言われるんですよ。でもねえ、何でか、もう、ずうっとどん底で、俺は何も変わらねえ。」
亮がかけつけ縁側越しに会話を聞き入る
新次「いや、そういう中でね、嬉しい事があったんです。昨日病院がら帰ったら、連絡が、あってね。船に乗ってる亮がら、メカジキ50本揚げだって。もう、それがすんげえ良い声で。明日港に戻っから、オヤジ見に来てよって。なんだよ、ガキじゃあるめえしって思ったげど、その、言ってる事ガキなのに、その声がもう、子供じゃ無がったのが、俺もの凄ぐ嬉しくて。もしかしたら俺に似て、筋が良いんじゃねえがど思って。」
龍己「んんん。」
泣き出す新次
新次「それを、喋る相手が…話す相手が居ないんだ…。」
同情の龍己・耕治・亜哉子
新次「ホントだったら一杯飲みながら、一緒に親バカだなって、言い合える美波が居ないがら…」「ほんだわな。それ気づいだら、家が有ったどご戻ってだ。ホントに毎回迷惑掛けでゴメンな、耕治…ホントにゴメンな…もう…」
縁側のガラス戸を開けて入って来る亮
亮「よっしゃあ!一曲歌うが!」
新次「亮…おめえ…」
亮「耕治さん、アレまだ有りましたよね?カラオケ、この辺か。おう、まだ有った!」
耕治「亮…」
亮「よいしょ…」
耕治「亮…」
亮「電源何処だっけ…」
耕治「亮、よせ。」
亮「良いじゃないですか!!メカジキ50本揚げて、祝杯上げてえけど、俺誕生日まだだから、酒も飲めねえし、一曲歌わせてもらっても良いでしょう?」
涙する亜哉子・百音・未知
亮「ほら、オヤジ!…オヤジ!!」「母ちゃんよく歌ってたヤツ、歌ってやんよ!!」「あーきーらーめーまーしたー あーなーたーのーこーとはー もうー電話もーかけ…」
新次の携帯電話を投げようとする亮
耕治「亮!!」
新次「歌なんかやめろよおまえ…俺は歌なんかでは誤魔化されねえがらよ。」「俺は立ち直らねえよ…絶対に立ち直らねえよ!!クソお…」